植林体験を通じて林業を知る

2020年03月03日

 東集は材木店として建築木材のご提供をさせていただいていますが、これまでその木材がどのように生まれてきているのか上流を知る機会は多くはありませんでした。今回、ご縁に恵まれ植林を体験する機会をいただいたので、実際に植林を行う中で感じた体験記をお届けします。

2020年2月1日(土)、和歌山県にて「ソマノベースキャンプ」イベントで一緒に登壇した㈱中川さんにて植林体験をさせていただきました。(参考:㈱中川
(以前参加したソマノベースキャンプのblog記事はこちら

2020年2月1日に弊社代表の永井と、親会社であるクレストホールディングス株式会社の取締役COO&CSO望田が林業界関係者と共に植林体験をしてきましたので、今回はその様子をご報告します。


◆植林の重要性
我が国の森林は、国土の保全、水源の涵養、木材等の生産等の多面的機能の発揮によって、国民生活及び国民経済に大きな貢献をしています。

また、現在の森林の状況は、これまでの先人の努力等により、戦後造林された人工林を中心に本格的な利用期を迎えており、国内の豊富な森林資源を循環利用することが重要な課題となっています。

主伐後の植栽による確実な更新により循環利用を図ることが不可欠となっており、植栽が森林の保全につながるのです。

利用期を迎えた森林が増加しており、主伐後に再造林を行うことにより、多面的機能を持続的に発揮させつつ森林資源の循環利用を推進することが必要であり、このためには苗木の安定供給も重要となります。


◆植林体験のご報告

2020円2月1日(土)、「ソマノベースキャンプ」のパネルディスカッションにて一緒に登壇させていただいた㈱中川の創業者中川さんのアテンドにて植林体験を行いました。

南紀白浜空港(和歌山県)へ到着後、㈱中川の大谷さんの車に乗り、和歌山県田辺市内ホテルにて体験を行う林業関係者が集合し、着替えをしていざ体験場所の植栽現場へ。

道中、車の中から見える景色は、主伐後に、植林が行われずにはげ山となっている斜面。

また、間伐により山林の手入れが行われていないために、表面以外に日が当たらずに幹がやせ細り、表面以外の枝が育っていない木々などが見られました。

木が密集しすぎているため、伐採時に狙った場所に木が倒れないことや、強風によりやせ細り、重心が上部に偏った木が倒れることなどが、伐採時の事故につながっているとのことでした。

なお、足場の悪い山の中で伐採木等重量物を取り扱う林業の労働災害の発生率は、災害の発生度合を表す「千人率」で他産業と比べると、全産業の中で最も高く、事故率は全産業平均の10倍程度と高率となっています。(平成30年の林業の死亡災害は31人、死傷災害は1,342人となっています。)

出所:林野庁「林業労働災害の現況

さて、話を戻し、主伐済みの山肌にて植林を開始。傾斜30°ぐらいの斜面で作業を開始します。

今回は1人100本の苗木を1束として7束700本のノルマ。実はこの束を斜面の上まで運ぶのが最大の重労働であったりします。これはあまり知られていないことで、㈱中川さんはこの課題に取り組むため、ドローンによる苗木束の運搬を進めているとのことでした。

そして上部についたら、苗木を植えるための穴を鍬で掘り、その穴に苗木を埋めていきます。

土の中に大きな石があったり、堀った土を斜面の下に落としてしまったりとなかなかうまくいかず、最初は1本植えるのに5分程度かかってしまう始末。これでは2時間の作業時間で20本程度しか植えられないと、焦り始めました。

しかし慣れてくるとだんだん要領がつかめてきて、最終的には1人約30本植えることに成功しました。(それでもノルマに対しては大幅に未達・・・・)

ちなみに、㈱中川さんで植栽のスペシャリストの方だと、平常時で1日で600本を植えるとのことでした。(自分の非力さを痛感・・・)

体験することで商流の川上における作業実態や育林までの流れ、また森林における課題に触れることができ、非常に良い経験となりました。木を取り扱う会社として、サプライチェーンのすべての流れを知るとともに業界に存在する責任として社会課題などを考えることは必要だと実感したとともに、そのような機会を与えていただけたことに感謝する日となりました。

なお、㈱中川さんでは、どんぐりから苗木を育て、植林するまでの流れを作られており、その流れも見せていただきました。

苗木の種となるどんぐりは近隣のお子様や旅行者向けのどんぐり拾い体験を通じた収集も行っているようです。

そこから芽がでて・・・

私たちの植えた苗木へと育ちます。

どんぐりが木材(備長炭の原本)として利用できるまで育つには20~30年というようなすごく長い歳月の仕事となります(スギヒノキは50~100年)。

自分が植えた木が商品になるまで見ることができない可能性も高いような長期目線の仕事をされていることに大きな驚きを覚えたとともに壮大なスケールに感動した体験となりました。